我慢

今日も朝から沢山の犬達で賑わったアウラです。いつもありがとうございます。
そんな中、保護犬のレッスンがありました。
このコは何年もさまよっていたコで、保護団体の捕獲をことごとく逃げ、最後は吹き矢で麻酔をうって捕獲したというコです。
当然、保護団体の方達にもなれることはないまま、今の飼い主さんのところにやってきました。
飼い主さんの私へのリクエストは「呼べば戻ってくること」それだけで良いというものでした。
勿論、私がそんなリクエストにそのままこたえるはずがありません。
それ以前にやらなければいけないことは沢山あります。
まずは飼い主さんが、犬を知る事からスタートです。
そして、最も大事なことは「我慢をすること」です。
飼い主さんは、ブラシもかけたいし、爪も切りたいし、シャンプーもしたいのですが、人に慣れていないコにそれは拷問に近いものです。
ひとつづつ、丁寧に、ゆっくりと、状況をみながら、自分の気持ちを押さえながら、犬に寄り添って行く事で、それらは叶うのです。
はじめの5回のレッスンは、とくにレッスンらしいことはしませんでした。
ただ、話を聞いて、現状をしっかり把握しながらアドバイスをしていく・・・・その繰り返しでした。
そして同時に私とアウラに慣れて行く事でした。
はじめのうちは、私に寄り付く事も、リードをはなすこともできませんでした。いつ逃げ出してもおかしくないような緊迫した状況をすこしづつ緩めていく作業が続きます。
「私からは近づかない」これは鉄則です。そしてそれは実質的な距離だけではなく心理的な距離さえもそうしなくてはなりません。それがすっとできるようになれば本物です。
飼い主さんは、あれもこれもやりたい気持ちを押さえながら、すこしづつスキンシップをとっていきます。
散歩もすこしづつ、立ち止っては歩き、緊張の連続です。それでも家の中での家族との時間は深くなっていきます。そして、日常的に身体を触る事はゆるされていきます。ブラシもかけれるようになっていきます。
私に対しても近づけるようになり、トリーツを食べる事ができるようになっていきます。
でも焦っては行けません。我慢、我慢、我慢です。いや、我慢の100倍返しです。
そして、6回目、はじめてレッスンらしいレッスンをしました。それが呼び戻しです。
アウラの呼び戻しは、ご存知の方はわかってらっしゃいますが、普通とは違います。気づきの呼び戻しとでもいいましょうか?とにかく犬の大脳辺縁系に寄り添ったやり方です。
そして、犬の繊細さを感じとるグランドワークです。
犬がどれだけ繊細で、臆病で、意欲的で、力強い動物であるかを感じとって行きます。
7回目の今日
このコは大きな成長を遂げていました。
やってくるなり、私の元に近づいてきて、トリーツを要求したのです。私は躊躇することなくトリーツを差し出しました。このコはしっぽをふって、満面の笑顔でこたえてくれました。
それから何度となく私のもとに積極的にやってきて、トリーツを食べ、すこしだけ私の手を受け入れてくれました。
それから、今度は座ることと伏せることにトライです。
一般的なトリーツの誘導はききません。そんなことをしても後ずさりするだけです。おしりを無理矢理押してもダメです。アウラメソッドでは別のアプローチをしていきます。そのための下準備もしていきました。
何度かのアプローチの後、外で座ったり伏せたりしたことがなかったこのコがちゃんと座る事も伏せる事もできました。もう感動で心が震えました。リードをはなしても、もうどこにもいきません。いや、むしろ呼べば来ます。まだどんなときでもとはなりませんが、その可能性がみえてきました。
我慢して、我慢して、やってきた結果、こうした気づきがうまれたのです。
私はほとんどなにもしていません。飼い主さんが我慢して、私のアドバイスを貫いてくださり、努力を怠らなかったからできたことなのです。
素晴しい、素晴しい、なんどこの言葉を口にしたことか・・・・
輝く瞳、ふるえる心、人の気持ちを知ろうとする思い・・・・まさにエモーショナルトレーニングの世界です。
根性や理論では成し得ない世界がそこにはあります。
でも、レッスンはたった7回です。まだはじまったばかりです。これからがこのコと飼い主さんの絆づくりなのです。まだまだ我慢は続きます。

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犬のしつけ方教室アウラ
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プロフィール

aura

Author:aura
町田市と稲城市にあるアウラドッグトレーニングアカデミー
の西田です。
訓練所ではなく、犬とのコミュニケーションづくりをサポー
トしています。
ブログでは私が感じた事を思うがままに綴っています。
ときにはやさしく、ときには厳しく綴りますが、特定の人や
犬に対する記事は一切ありません。
読まれた結果、どのように感じ、どのように触発され、行動
を示されるかは私にはわかりませんが、どんな時にも前向き
にとらえて読んで頂けると幸いです。
うちのボーダーコリーのビンゴは、重度の股関節形成不全でしかも耳が100%聞こえませんが、それでも沢山の経験を共にし、障害を越えて、健常な犬達と同じかそれ以上の結果さえも得ています。
なにもあきらめるものはありません。自分達の向かうイメージを持って、ひとつひとつの努力した点を線につなげ、面にしていくプロセスを楽しむ事で結果はおのずとついてきます。

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